写真と文

誰でも参加自由。メンバーが共同で作る WEB 同人誌

「読者の声」2024年10月後半分

レッドブルに翼を授ける。

前口上

 どうも、編集者ふぉんとです。メンタルが回復したと思ったら、今度は風邪を こじ らせまして、駄目ですね。前半分も終わりの方はグタグタになってしまいましたが、そのままグタグタ続行です。後半もよろしくお願いします。

 なお、「読者の声」でも「写真と文」同様、執筆者を募集しております。条件として、前月に発表された記事3編以上をピックアップして、1文でも良いので何か添えていただくということになっております。今回も全編に続き10月分ということで全編いきます。

 編集長からは自分の記事が多くなるから飛ばしていいよと言われているのですが、とりあえず、今月は、全記事について書きます。次回、私が担当するときは、さすがに全記事は止めて、あまり取り上げられていない人を中心に書きますね。

 

10月16日 「若者の屁燃やし離れが加速中!」 by 岩田 夢雲 (id:gundamoon)

 なんか「屁を燃やす」と聞いて村上春樹「納屋を焼く」を連想してしまった私ですが、岩田夢雲さんにしては比較的マイルドな記事。

 屁を燃やすことは法令順守義務違反のようにイケナイことでしょうか? というよりも、誰も、そんなことは考えなくなったってことなんでしょうね。

 私は昭和40年代後半の生まれなのですが、本当に人気ラジオ番組「こども電話相談室」で「屁が燃えないのは何故ですか?」という質問が取り上げられていました。

 ある意味、良き昭和の思い出でしょうか…。

 

10月17日 「図書館と税とマチアプとキッズと私」 by ぽちん (id:pochin_pudding)

 筆者のぽちんさんは図書館をマッチングアプリに例えているが、私にとっては、さながら結婚相談所である。読みたい本を吟味し、ネットで在庫確認・予約をしてから図書館に行く。

 別にナンパのように本を吟味し、おためしのようにお持ち帰りすることはチャラいとは思わないし、なるほど、そんな本の選び方もあるのかと思うのだが、そこから先は私も一緒。

 気分が乗らない本というのは、確かにあるのだ。私も、「おためしの2週間、ひと晩の営みもないままにお別れなんてことも結構ある。」まぁ、私の場合、それだけ吟味しているから前戯ぐらいはあるかな。

 しかし、私は、そこで子ども向けの本には向かわない。考えてみれば読書の習慣を付けたのは確実に子ども向けの本だったろうし、乙骨淑子さんなんて児童文学者の名前は今でも覚えている。

 こう読んでいて、付き合い始めは色々あれど、本との出会いは異性との出会いに通ずるものがあるのかもしれないな… と思った次第だ。児童書に向き直ってみるのも選択肢のひとつだ。

 

10月18日 「『とみ田』はつけ麺ではなく『とみ田という食べ物』である」 by カラーひよこ (id:color-hiyoko)

 前半で、私は無性にラーメンが食べたくなるときはないと書いたが、その後、値段も高いし味も落ちたので買わなくなってしまったが、去年の夏か何かに、セブン-イレブンの「とみ田監修 魚介つけ麺」にハマッた。

 つけ麺というものは、それまで何回か(主に他人に誘われて)「三田製麵所」で食べたことがあるが、何となく煮干しだか豚骨だかの癖が抜けず、セブン‐イレブンの「とみ田」のパッケージを食べたときには、店で食べなくても差が出るな… と思った。ちなみに私の家の最寄りのセブン-イレブンでは冷凍食品は売っていない。

 しかし、私が松戸に住んでいた30年少し前、そんな店はなかったような気がする。ある意味、新進気鋭の店なのかもしれない。認知度が高まるのは、まだまだこれからなのだろう。

 

10月19日 「ジェシーのカメラは『ニコンFE2』映画【シビル・ウォー アメリカ最後の日】」 by TaNuma (id:TaNuma)

 ちょっとどういう映画か判らず公式サイトを参照した。

happinet-phantom.com

 

 TaNumaさんのタイトルに「ジェシーのカメラは『ニコンFE2』」とあるので過去の話かと思ったのだが(Nikon FE2は1983年発売)未来の話だった。

 大統領の3選禁止など時事問題がてんこ盛りで、TaNumaさんも「気分よく最後まで鑑賞可能な作品ではないことは確かだ。」と書いていらっしゃるが、アメリカ、悪い方に行ったらこうなっちゃうの? という話らしい。

 写真を撮りたくなる映画… というと、私はハーヴェイ・カイテルの"SMOKE"を思い出すが、あれは使われていたカメラは、キャノンの、たしかAE-1だったと思う。当時、本当にニコンはアメリカでは報道用くらいしか需要がなく、それが使われているのも、この映画の1表現なのかもしれない。

 

10月20日 「翼授かる岐阜旅行」 by あけみダイナミック (id:akemi_12mg)

 「私の居住エリアは新潟県であるが、新潟県からここ岐阜県岐阜市までアスファルトで綺麗に作られた道が繋がってるの、冷静に考えたらすごくない!? ということだ。」

 この感想が出てきたときからエッと思ったのだけど、6時間かけて車で行かれたのですね。私は都心部の出身なので日本橋のど真ん中の道路元標なんかを何度も目にしているわけだが、あぁ、すべての道はローマではなく日本橋に通じるのねと思うと感慨深い(その上の首都高にはアジアハイウェイ1号線の道路元標もあるのだけど見たことはない)。

 私も持病を発症するまでは、羽田空港が近いので地方の空港に飛んでは、そこからレンタカーで周遊するという一人旅を年に3回くらいしていた。なんか、この文章を読んで昔を思い出し、カバンひとつでどこかに飛んでいく翼を授けられちゃったなぁという感じ。

 

10月21日 「JR西日本の新しい観光列車 "はなあかり" のスーペリアグリーン車に乗ってみた。」 by カッペ1号(かいち) (id:Kuunyan_takashi)

 自動車による旅の次は豪華列車による旅である。移動する過程を楽しむところも、あけみダイナミックさんの記事とは対照的だ。かいちくんにしては珍しい紀行文。

 デザインは川西康之氏と書いてあったので同氏のサイトを見てみたら、きちんと記載があった。曰く

www.ichibansen.com

観光列車「はなあかり」は地域のとっておきに光を当てて、お客様と地域を結びます。

 本文にも、ご当地キャラによる出迎えや15分の停車などの表現があり、そういうことなのねと納得。弁当も豪華そう。

 ただ、城崎温泉で時間がなかったのは残念でした。城崎温泉は教科書で読んだ志賀直哉の文章で馴染みがある程度だけど、そんな有名なところという印象がある。

 あとは純粋に文章を楽しめる構成になっている。常連さんなので次回作にも期待です。

 

10月22日 「『サ活』『ジム活』など序の口、本当にヤバいのは『魚活』だよ」 by カラーひよこ (id:color-hiyoko)

 正直、前2つの「活」がなければ魚屋の名前かと思った(笑)。金目の煮付けにも結構な量の刺身が付いて、けっこう良心的。しかし本文中に貼ってある公式サイトを見ても、なぜ魚屋が豆腐や湯葉をやっているのかが不思議。

 

10月23日 「玉ねぎがたわわに実ります」 by banban (id:banban)

 凄い当たり前なことなのだけど、この文章の目玉は2つある。ひとつは、玉ねぎは球根なので、たわわに実るはずがないということ。もうひとつは、そんな当たり前なことでも面白おかしい冗談にできたのは学生という若い年齢だったこと。

 そんな当たり前のことだけど、なんと私、なんで、玉ねぎが実らないの? と疑問に思ってしまった。つまり、玉ねぎは“実”だと思っていたわけ。そんな当たり前のことに気が付かなくて、文章の面白さに加えて自分を笑ってしまった。

 そんなことはないと思うけど、もし、「玉ねぎはたわわに実るものではない」という1文を、計算して最後に持ってきていたら天才である。おそらく私がドジなだけだけど。

 

10月25日 「新都心駅でクラフト餃子フェスを堪能する」 by いれてぃ (id:elated)

 前回もAIによる作文はあったけど、AIメインの文章は2本目になるのかな? 私はAIは、良く判らないのだけど、Xなどの投稿でもAIを利用した絵画や文章の投稿が増えていますよね。しかし使うのが難しそう。

 個人的には、オレオが載ったチーズケーキなど、変わった食べ物の写真が面白くて好き。

 

10月26日 「桶川飛行学校 平和記念館にて」 by カラーひよこ (id:color-hiyoko)

 ひよこさん、多筆…。どこから、これだけのものを書くエネルギーが湧いてくるのだろうか。多いから飛ばしていいよと言われているけど、軽く感想を書きますね。

 まず、桶川に、こんな史跡があるとは思いもよらなかった。ほぼ、TVドラマなどで目にする陸軍航空学校で驚いた。しかし、ひよこさんは不幸ではないと書いているけど、いつ死ぬか判らない我々と違って、死ぬ時期が判っている人たちの笑顔というのは、誰でも死ぬと考えれば不幸ではないのかもしれないけど、何か辛いね。

 口直しに、写っているカメラはドイツのデッケルですね。シャッターがデッケルが作っているコンパ―シャッターなのですが、銘板にコンパ―ではなくデッケルとあるのでカメラも自社製でしょう。大体1920~30年代くらいのものかな。

 

10月27日 「葉っぱくんと毛虫くん(創作短編小説)」 by 山猫🐾 (id:keystoneforest)

 この同人誌が始まって以来、初の小説。驚くことに冒頭の17音(字余りなので18音だけど)と約3,000文字の小説で、同じことが書かれている。

 しかし、今回のメインは小説。「葉っぱくん」の感情を豊かに書き、また、擬音語と擬態語を多用していて、抒情性が豊かに仕上がっている。

 私など抒情性があるものは書けないから、こうやって情景を膨らませて、それを表現できる才能が、素直に羨ましい。

 ちょっと、ほし氏さんと話したのだけど、3,000字の読みきりというのも良いスタイルだったのではないかと思う。

 

10月29日 「子供の運動会で大いに感動してしまった母」 by みつき (id:mitsuki1617)

 もう、次の1段落に集約されてしまっているのではないだろうか。

もうここまで何度泣いているのだろう。泣く予定なんて全然なかったのに、子供の運動会は「自分の子供が主役」だと思っていたけど、

「子供の友達、その友達のご兄弟さん、ママ友の子供、その後兄弟さん、名前は知らないけれどもちょっと気になる子」と、目がいくつあっても足りない!と言う状況で運動会を貪欲に楽しんでいる自分がいる。

 

 私には家族がいないので「人の親」という感覚は解らないけど、小さい子が懸命に頑張っていたら、やっぱり泣くかもしれない。とにかく運動会という「ドラマ」に関する1作品でした。

 

終わりに

 本当は記事ピックアップで良いものを、今月分の全作品を2回に分けて書かせていただたいた。前半の「まとめ」にも書いたけれど、多士多才だなぁ、どれを読んでも飽きないなぁという感想に変わりはない。

 今回から始まった「読者の声」・「写真と文とRADIO」で、それらの作品を、さらに一層、楽しんでいただけたらと思います。ぜひ、「編集後記」「読者の声」「写真と文とRADIO」で、自分なりの楽しみ方を教えていただきたい。

 私は今回の「読者の声」を引っ提げて、次回の「写真と文とRADIO」に参加する予定です。自分が書けていないから、いうわけではないけれど、Instagramの宣伝で「投稿しなくてもいいんです」と言っていました。皆、その人なりに「写真と文」を楽しんでいただけたらと思います。

 なお、写真に困っている作品がありましたが、写真使用に関する細則が変わって、「やむを得ず引用画像を使用する場合は引用元のリンク及びクレジットを必ず明記すること」という1文が追記されましたので、フリー素材でも使っていただけると有り難いです。

 とかいって、私は自作の写真にこだわってお蔵入りしている作品がひとつあるので、写真がないから発表できない、よりは良いと思いますけど。今度は、ぜひ、作品で皆さんに、お目に掛かりたいと思います。それではまた。

 

 

今回の寄稿者:ふぉんと (𝒇𝒐𝒏𝒕)

精神病闘病ブロガー

 

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