写真と文

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生意気にも被写体に迷う今

 デジタルカメラを買って写真を撮るようになった一年目には被写体に迷うというようなことはなかった。それ以前のスマートフォンで好きなように、好きな瞬間にカメラ機能のシャッターボタンを押す時にも迷うというような瞬間は一切なかった。

 

 デジタルカメラで写真を撮るようになった二年目、二台目のカメラを購入した。

レンズ一体型、よりズームは可能になった。機能も複雑になった。しかし、小回りや俊敏さに欠けるようになった。撮れる写真の幅は広がったのは確実だが生意気にも被写体に迷うようになった。不思議だ。

 

 なにものでもないのに。

 

 以前よりもシャッターを押す回数が減った。

 

 レンズを向けるが、カメラを構えるが、デジタルカメラを初めて手にした一年目よりも全てに迷うようになった。

 

 風景を撮ることで楽しめていたのに、欲が出てきた。

動く対象を納めたい気持ちが出てきた。人を撮る勇気は未だない。

花火を撮っていた夏の瞬間は良かった。今年も桜を撮ったが撮る枚数は減った。

鳥を撮り始めた。少し気分が変わった。答えは少し出た。

 

 マイナス要因は理解していたが、気づかないふりをしていただけだろう。

日常の行動範囲の中でなにか劇的な、自分が納得する画を撮り済ませたかった。

その気持ちが明確に成った。待っていても、やって来るわけではないことは知っているのに悪い癖だ。足は運ばなければいけない。

 

 動物園に行ってみよう。

 

寄稿者:TaNuma

tanuma.hateblo.jp

 

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