地図子
二年ぶりに祖父母を訪れたら、実家が森になっていた。 祖父というのは、この記事の祖父である。祖父は畑を耕して食物を育てたいのだとばかり思っていた。その血を引いたと思った私は夏に細いネギを収穫し、にんじんと大根はいまいちに終わり、そろそろバケツ…
あぁ、おばちゃんが悲しむだろうな…という声が今回のピンチの最中、最初に湧いてきた声だった。 地図子はこのとき、アメリカ・ボストンの地下鉄レッドライン、セントラル駅のホームにいた。ミスティック川を歩きに行こうと電車を待っていた矢先、またお腹が…
しまった。と思った。お腹が痛くなってきたのだ。しかも割とモーレツに。 地図子は日本津々浦々の川沿いをよく歩いている。可能な限り水源から河口まで。長いと一日20kmほどの区間を、足と心が折れそうになりながら、ただひたすら修行僧のように歩いている。…
先日ホームセンターでにんじんの種を手にしたときに、人生で初めて「祖父に似てきたかもしれない」と思ってしまった。 三十路を超えてから、妙に食べ物を育てたくなった。 食べ物を育てたのなんていつぶりだろう。小学校以来だろうか。2022年春に久しぶりに…
七年間、川を歩いてはその様子をブログに記している。 今まで東京をメインに日本各国、ときには海外の川に赴き、合計70もの川を歩いた。川歩きでは、主に最初の一滴が流れる(流れていそうな)水源地域から歩き始め、「山登り」とは真逆の「川降り」と称して…