写真と文

誰でも参加自由。メンバーが共同で作る WEB 同人誌

趣味の作り方

働く事を美徳とも思わず、定職にも就かずにフラフラしている私のような独り身の中年男性にとって、没頭できる「趣味」に勤しむ事は、人生を豊かにする大きな一要素には違いないであろう。
何かスポーツをやっているだとか、楽器が弾けるとか、漫画を描いているとか、ゲーム中毒である等々何でもいいのだが、「何かに夢中な人」にコンプレックスを覚えるのである(「仕事に夢中」というのだけは全く羨ましくないが・・)。


3年ほど前に定職を離れるまでは典型的な無趣味人間だった私だが、その頃に軌道に乗り始めたブログ日記が習慣化していく過程で、自然発生的な流れでいくつかの趣味が形成されていったように思える。
サウナ巡り、写真、読書、最近ではいい歳をして TV ゲームなども始めた。
これといって趣味の無い人間が趣味を作る際には、上に挙げたような大した知識も技術も要らずに「一人で簡単に始められるものをとりあえず始めてみる」、というのが吉だろう。
興味本意からでも形からでも始めてみたその趣味(以前のもの)を趣味にまで出世させるコツのひとつに、それらの趣味活動を行った際に「ブログや SNS の発信ネタ」にしてしまう、という手がある。
サウナに行けばサウナのブログにレビューを書く、本を読んだら感想をブログに書く、写真を撮ったらそれもブログや SNS に載せる・・といった具合に、その体験を後で見返せるように、他人の目に触れるネット上に日々積み上げていくのだ。


「何もしたい事がない」「何にも興味が無い」という人は無理矢理でもいい。始めたばかりの私のゲーム趣味などは、本体とソフトを購入してから4年も経ってようやく重い腰を上げている。この調子だと、その RPG をクリアするのはかなり先の事になるだろうが、レベル上げに精を出してストーリーを進めているうちに、1日の終わりにやるゲームの中の擬似冒険が日々の生活の中に彩りを与えるようになった。
正直、ゲームは「趣味」というよりも「気晴らし」「暇つぶし」に近い娯楽だと思っていたりするのだが、「それの何が悪いのか」とも思う。


何でもいいのだ。のめり込めるのであれば、ゲームはもとより、筋トレ、散歩、日記、ギャンブル、飲酒・・AV のレビュー投稿ですら趣味になるだろう。
そしてさらに面白がる為には、先に述べたように、その記録をインターネット上に公開する事。何事もそうだが「受け身」ではなく「能動的」にならないとおもんないのだ。


ところで、「集める」「コレクションする」「コンプリートする」というのは、最もお手軽でイージーな趣味ではないだろうか(ジャンルによっては金がかかるが)。
数字的な積み上げというのは不思議なもので、収集と記録と発信の場数を重ねていくうちに、最初は興味の無かったものでも、否応無しに詳しくなって次第に好きになってきたりもするのである。


サウナ巡りの新規開拓が 30 店目を数えた頃に「サウナのブログでも始めてみるか」と思い立った私の例だと、今や訪問サウナは 300 店を超えており、現状「やめられない止まらない状態」となっている。
(楽しいは楽しいのであるが、現在は「衛生・理容・身体のメンテナンス」の目的も同じくらいのウエイトを占めていて、サウナは「趣味」というよりも「生活の一部」に近いのだが・・)


さておき、ゲーム画面やネットの中だけで完結する趣味よりかは、現実に根ざしたものの方が(当たり前だが)リアルな充足感が得られるだろう。
加えて「能動的である事」「コレクションする事」からさらに上を目指すのであれば、「作る事」、すなわち創作系の趣味が最強かもしれない。
私のようなおっさんが何か創作を始めようとなると、かなり敷居が高くも思えるが、最終的には創作趣味に行き着くのだろうな・・と、ぼんやりと予測している。


とりあえずは、「これがあれば大丈夫」というものがあれば何でもいいのであるが。


目下、現在リバイバル上映中の『ミッシェル・ガン・エレファント“ THEE MOVIE ” LAST HEAVEN 031011』を劇場で観るまでは死ねないのであった。
  
寄稿:カラーひよこ

X:@colorhiyokoma

最近は板画家を目指そうと思ってる