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女の子が付く店と自己嫌悪

 

 岩田夢雲さんの記事を読んで、そんなことに金を使って虚しくならないのだろうかと思ったことが少しある。

 さて、私は風俗へ行ったことはないが、10年くらい前、悪友に、渋谷の、女の子に触れる店というのに誘われて行ったことがある。ネットで調べてみると「セクキャバ」という風に記載されているが、調べたところ、本来の、その業態の店に比べると、かなりソフトである。

 そもそも私は異性が苦手で、触っていいと言われても、ほとんど触れなかった記憶がある。当時、付き合いがあった女優に、その話をしたら、私らしいと言われた。ちなみに異性なのに私の部屋に平気で泊まっていく人だった。先日、訃報が流れてきて、少し寂しい。

 女の子が付く店自体、私がサラリーマン時代に〇友倉庫という財閥系の会社の接待でフィリピンパブに行ったことしかない。接待に、そんな店に連れて行くとは、どうかしていると思う。嫌悪感しかなかった。私が勤めていた財閥系の会社は麒麟麦酒も傘下に収めていたので、そんな店に客を連れて行くことなど考えられなかった。

 また、沖縄の那覇でクラブに行ったことがあるが、そこは同じ雑誌の取材班の仲間が、大学の同級生が店を持ったからと言って連れて行かれただけで、酒を作ってもらったかさえも怪しい。クラブの店内で単に飲み会をしているだけで、いわゆるクラブの接待はなかった。

 それが、ざっと、私の「女の子が付く店」の思い出である。それが、自ら進んで、そんな店に行こうと思ったのは、1ヶ月ほど前に友達と紹介キャンペーンで始めたTikTokのせいだ。

 私は持病があり、新橋付近に通院している。その新橋に、その、セクキャバとは呼べないセクキャバみたいな店があるという広告が流れてきた。港区生まれ港区育ちの私からすると、新橋は女の子が付く店どころか女の子が飲みに行くことすらない男の町という印象があったので、かなり物珍しいと思った。

 孤独で人肌が恋しくなり、私は先月(7月)26日に、その店に行ってみた。そうしたら中々、話の面白い女の子がいて、お仕事の女の子には抱かないような印象を抱いてしまった。そして、その店1軒しか行かなかったのに、10万円近い金を使ってしまった。今になると店の中は居酒屋に近い状態だったので、間違えて他の客の勘定を付けられたかなという気がする。そんなものに金を使ってしまった罪悪感は夢にも出てきた。

 そして、一昨日(8月1日)、その女の子が出るし店もイベントをするというので再び行った。基本60分の1セットで帰ってくるつもりが、ダラダラと閉店までいてしまった。挙げ句の果てに閉店しても収まらず、キャッチに誘われるままに翌2日の朝7時まで他の店に入り浸ってしまった。金額も、ちょっとした海外旅行程度の金額になってしまった。

 前日の昼から何も食わずに酒しか飲んでおらず、帰りは乗り換えなど無理そうだったのでバスで帰って来たのだが、バスの中で寝落ちして乗り過ごしそうになった。そのくせ帰ってきてからも1時間しか眠れなかった。

 とにかく宿酔いで苦しく、さらに、そんなことに金を使った自分を軽蔑していた。訪問看護が来たが、本当は、当日に酒を飲んだら訪問することはできないのだけど特別と言って、調子が悪そうだからと軽く話を聞いて帰っていった。行くのは2回目だとは言う暇がなかったので、くれぐれも嵌らないようにと言って帰っていった。

 今でも数十万円になるであろう散財や、自分を軽蔑する感情が抜けない。昨日(8月2日)まで、TikTokだけでなくスマートフォンを見るのも嫌だった。とにかく死にたいほど自分に絶望していた。

 話は最初に戻るが、自己嫌悪せずに、それよりもエグい風俗を楽しめる岩田夢雲さんは凄いなと思った。

 

 

今回の寄稿者:ふぉんと (𝒇𝒐𝒏𝒕)

精神病闘病ブロガー

 

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