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三線のすすめ

 楽器が好きではあるが、この歳(どの歳!?)になると、少しずつ楽器と縁遠くなるかもしれません。例えば学生時代、吹奏楽部にいた方、仕事おわりに颯爽とトロンボーンを… というケースはなかなか多くはないのではないかと思います。かつての仲間とは疎遠になるし、ひとりでチューバ吹いても曲にならないし、そもそも楽器を維持していない、など。

 そもそも音楽經驗がない場合も。いざ始めるにも、どれから始めればいいんでしょう。例えばピアノやギターなど、メジャーな楽器であればあるほど、既にプロ級の方が視界に入ってきて、ハードルばかり高くなります。

 三線(さんしん)などはいかがでしょう。沖縄の伝統的な、蛇の皮が張ってある、小さい三味線みたいなものです。

 全く沖縄の伝統音楽に興味のなかった方でも、有名な『島唄』や、昔のauのコマーシャルで使われていた浦島太郎が歌う唄、BEGINのポップソング、または何となく『へんなおじさん』のメロディなど… 何かしら頭の中で流れるフレーズがあるように思います。

 そこで三線、もちろん練習は必要ですが、簡単な部類であると思います。なんせギターの弦の半分、長さも短いから左手の位置もほとんど動かさなくてよいなど、沖縄の方以外にとっても、ハードルが低いと思うのです。もう一つ付け加えると、ギターやピアノのような和音がない、ピアノを指一本で弾いているようなものです。もちろん一人で演奏は完結します(もちろん大勢で演奏しても楽しい)。

 価格について。ピンキリです。私が2本目に購入した三線は原木から切り出していただいて、大きめの手に合わせていただいたものなので確かに高くなりましたが、何十万もしません。1本目の三線は、お試し版ということでインターネットで探した、2万円でお釣りがくるものでした(のちにエレキ三線に改造しました)。

 弦にかける駒次第では、小さな音に抑えられて、あまり迷惑をかけずに済みます(もちろんそのあたりは慎重に御判断を)。友人にだって、『実は三線が弾ける』なんて、ちょっといいではありませんか。何度酒の席に持っていったことか(私は吞めませんが)。

 『新しい発見は、もう自分の好きだったところにはない』という言葉が真実だとすれば、思いもしなかったことを試してみても無駄ではないかもしれません(無駄で終わっても、それもまた一興です)。

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寄稿:ちゅうじろう

X:@Green_Puukko