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おっさんには遼太郎

 どもども。イチイチです。

 年末に会社の倉庫整理をしてたら、大量の古い文庫本が入った段ボール箱が出てきました。

 誰のだろう?持ち主を探したんですけど、誰も心当たりのある人がいない。で、おそらく、すでに(しかもずっと昔に)退職された誰かしらのものだろうということで、、会社の庶務係の女の子は、捨てますので欲しい人は勝手に持って行ってくださいと、、、

 あさってみると、古い週刊誌(昭和50年頃)なんかも混ざっていて、幸いなことにエロ本とかのたぐいはなかったのだけど(昔のプレイボーイぐらいあるかなと期待したw)、みたところ、あまり自分の得意とする分野ではない本がほとんど、、、、そんななかで、唯一というかなんというか、自分のアンテナにヒットする小説家の名前が!

司馬遼太郎の「世に棲む日日」!。

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 せっかくだからいただきました。しかし、4巻で完結のはずのこの小説、残念なことに2巻までいかない。しかも、かなり古くて、紙は茶色く焼けて、文字は小さくて、老眼にはつらい( ;∀;)

 ただ、文字の小ささよりも何よりも、やはりそこは司馬遼太郎、歯切れの良い文章でどんどん引き込まれていく。

 てっきり主人公は吉田松陰と思いきや、二巻であっさり松陰は処刑されてしまい、話しは松陰の松下村塾に通っていた高杉晋作の話に移っていく。

 二巻を読み終わったところで、続きを読みたくてウズウズ。

 残り3,4巻を入手すべく、二駅先のブックオフに自転車で行き、新装版になっている3巻4巻を2冊で400円でゲット!

 新装版は文字が大きめに印刷されてて、めっちゃ読みやすい!

 正直、吉田松陰は松下村塾、高杉晋作は奇兵隊ぐらいしか知識がなかったんですが、幕末の長州藩の内情などを司馬遼太郎節ともいえる歴史考察の上に生き生きとした文章で楽しませてもらいました。

 しかも4巻の長編で、幕末の歴史ものとなると頭ぐらぐらしそうなのに、そこはスイスイと歯切れよく読ませてくれる、というよりも、次は?次は?と読み進めたくなる書き方は、さすが司馬遼太郎だなと。

  

 で、まあ、一月は朝の通勤電車でほぼ毎日、この「世に棲む日日」を読んでたんですけど、ある日、たまたま座ることができて、ふと前に立ってる50代後半と思われるおじさんの読んでるハードカバーの表紙が目に入り、見たら「坂の上の雲・司馬遼太郎」とあるではありませんか。

 自分も文庫本などはブックカバーをかけないタイプなので、おじさんのタイトルを上目遣いでちらっと見ていたら、おじさんも明らかに僕の本のタイトルをチラ見してました。

 ふふ、僕も読んでますよ、司馬遼太郎ww

と心のなかで思っていると、おじさんの隣にたってる白髪の60代と思われるおじさんも読んでる文庫本が司馬遼太郎の「菜の花の沖」でした。おそらく新装改訂版。文字大き目のやつねww

 

 

 ちょっと前に、ユニ〇ロのCMで、喫茶店でみんな村上〇樹の小説を読んでる。っていうのがありましたけど、電車の中のオッサンは〇樹より遼太郎なんだよな。

 やっぱ、司馬遼太郎を読んでこそ、おっさんとして一人前なのではなかろうかと思った2024年の最初の読了なのでした。

 

 

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