いつのまにか道路で目にする車たちは似たようなデザインとして認識するようになった。
SUVが頻繁に通り過ぎる。
印象に残るデザインの車はあまりなく。
各社よせてきているような印象を日々受けていた。
頭の中で勝手に連想したことは
「もしかしたら…各社協議会があり新車デザインには方向性の統一が決められていて…守らなければいけないルールが存在するのだろうか…」
と友人の車の助手席に乗りながらつぶやいた。
隣りで運転している友人にもその内容は意見を求めてみたがあまり大きなリアクションは得られなかった。
【ローライダーにドキドキしていた】
あの頃の僕らは時代もあってかアメ車に憧れていた。
高校を卒業したアウトロー的な同年代は運転免許を取得すると初めて購入する車にアメ車を選ぶ傾向にあった。子供の頃にもあまりみたことがなかったそのデザインには一瞬で魅了された。
インパラ
C1500
カプリス
アストロ
キャデラック
この辺りが主役と成り近隣の道路を席巻していた。
音もさることながら大きさは他車に有無も言わさない存在感。
燃料代や維持費なぞそっちのけだ。
また、このアメ車とは対極を選ぶグループも勿論存在した。
対局を成したのは【VIP】”ビップ”もしくは”ヴィップ”と発音したのか。
国産高級車を若者が乗りこなした。
ドアを開ければシートにファーがあしらわれており、一見すれば部屋のようなカスタムをほどこすタイプが多かった。
ラインナップでは、
Y31
Y32
と口にされたセドリック、グロリアシリーズ。
今は無きセルシオ。
旧クラウン
女優:伊藤かずえさんが長年所有していることで再び脚光を浴びた
シーマ
などだろうか。
私の視野には少数派に映ってしまった別タイプ”峠”や”サーキット”を楽しむグループも当然存在した。
GTR
スープラ
セリカ
MR2
自身の年齢もあったのか昨今、道路に目を向けても当時感じたような車のデザインに新鮮さや意識を奪われるようなことはなくなってきている。
不思議な作用だ。
丸みを帯びたデザインに
近未来を感じた。
角があるデザインに
古き良さを懐かしむ。
甲乙なんてものはおこがましい。
寄稿者:TaNuma