- 始めに
- 11月2日 「熊出没注意看板写真集。」 by ほし氏 (id:star-watch0705)
- 11月7日 「真昼の新宿ゴールデン街にて」 by カラーひよこ (id:color-hiyoko)
- 11月10日 「私小説・立松和平氏に映る私の職歴」 by ふぉんと (id:fonttoto)
- 11月17日「紀行 〜番外編・キャベツ(千葉県産)を深夜に合法的に始末してみた〜」 by 大塚 (id:boy2005)
- 11月28日 「古きよきレストランの想い出」 by くろこ (id:allisvanityxxx)
- 11月29日 「出直し修行の旅に出た。」 by カッペ1号(かいち) (id:Kuunyan_takashi)
- 11月30日 「左遷されたりしたけれど、僕は元気です」 by いれてぃ (id:elated)
- 終わりに
始めに
毎度、ご愛読ありがとうございます。「写真と文」編集者のふぉんとです。書き手がいないということで先月に続いて私が担当とすることとなりました。(この辺、編集部内で検討中です。)
先月は、取り上げる記事の公平性という考えから全記事を取り上げたのですが、今回は筆者の情緒不安定もあり、独断と偏見による記事ピックアップとします。
特に月末になって、少し気分が落ちていて、読み取る力がなく、どうしても気心が知れている面識がある人の作品が中心で短くなってしまって、予め、ごめんなさい。
なお、「写真と文」では、「編集後記」とともに、この「読者の声」の執筆者を募集しています。ぜひ、奮ってのご参加をお待ちしております。
来月の「読者の声」は、ひよこ編集長が担当する予定です。
11月2日 「熊出没注意看板写真集。」 by ほし氏 (id:star-watch0705)
「写真と文とRADIO」でだったか、編集会議でだったか忘れたが、ほし氏さんと、タイトルが「写真と文」なのだから、もっと写真に力を入れてもいいよねという話をした。
さっそく、その、ほし氏さんから写真に力が入った記事が上がって、これは文章と写真が同等に配されて補完されており、写真だけでも文章だけでも成立しない記事だなと思った。「写真と文」というテーマにマッチした記事だと思い取り上げた。
11月7日 「真昼の新宿ゴールデン街にて」 by カラーひよこ (id:color-hiyoko)
考えてみれば写真に力を入れている人が1人いて、それは編集長である、ひよこさんだ。その型に囚われない作風は、他の人の目には、どんなふうに映るのか気になるところ。
私としては、個性的であることは判る、下手でないことは判る。では上手いの? と言われたら、よく判らなくて、感覚としては武田花さんが世に出たときに近いものがある。
話は逸れるが、村松友視(武田夫妻の担当編集者だった)が追悼文を書いているので、武田花さんが亡くなっていることも、武田泰淳と百合子の娘だとも初めて知った。同じ二世で写真家でも道の歩き方は蜷川実花さんとは違うものだ。
さて、登場する新宿ゴールデン街だが、私が足を踏み入れたのは意外と遅くて、おそらく2~30年前のことと思われる。まだ寺山修司の亡霊が漂っているような雰囲気があり、写真に写っているようなカジュアルな場所ではなかった。
そのとき、ひよこさんが「診察室・・。」とキャプションを付けている(後で本人に本当に診療所かと思ったと聞いた)「たちばな診察室」に立ち寄っていて、十年以上のときを経て、まだあるんだと驚いた。ゴールデン街によくあるスナックだかバーだか判らない店で、ピンクのナース服を着た30歳前後の女性が独りで切り盛りしていた。元看護師だと聞いたような聞かないような。
私の中学の同級生の文学ヲタが足繫く通っているが、私は、多分、今後、この街に通うことはないだろう。でも、これも文中に出てくる「凪」は最近になって1回、行ったような気がする。歌舞伎町に支店があって、そこだったと思っていたのだが、歌舞伎町の凪といったら、ここしかないようだ。
11月10日 「私小説・立松和平氏に映る私の職歴」 by ふぉんと (id:fonttoto)
ひよこ編集長より自薦記事も入れよとのことなので書くが、これは酷い出来だ。2日間、一睡もできず、やる気ばかりが漲った状態で書いた。ちなみに私の作品記事(「読者の声」など以外)の中でも、アクセス数は、かなり低い。
やっぱり昔に比べると格段に文章力が落ちている。実は自分の文章ながら読み直すのが苦痛で読み直しをほし氏さんに頼んだ。タイトルと冒頭のエピソードからピーンと繋がる一線がない。脱線した話が続き、最後に無理に軌道修正している感じだ。
今後、どこまで文章力を回復できるか、それが最大の課題だ。
11月17日「紀行 〜番外編・キャベツ(千葉県産)を深夜に合法的に始末してみた〜」 by 大塚 (id:boy2005)
大塚さんは、今月、グルメ記事を2本、書いているのだが、こちらを取り上げる。それは、あまりにも料理が「行き当たりばったり」だからだ。その、行き当たりばったりというか、ある種、ハチャメチャな料理法? がリアルに表現されていて面白い。
普通、キャベツとベーコンがあったら、刻んで塩胡椒して炒めるというのを考えると思うのだが、なぜ、それが、こうなってしまったのか。その時その時の心情を考えるとクスッと笑える気もする。
みなさんも、キャベツが残った時にぜひお試しあれ。
私は、しねーよ(笑)。
11月28日 「古きよきレストランの想い出」 by くろこ (id:allisvanityxxx)
私自身の経験に重ねて読んでしまった、ちょっとホッコリする記事。同じ体験をしたことがある人しか判らないのかもしれないが、私も父の帰りが遅いときは母が夕食を作るのを休むといって外食(私の場合「すかいらーく」だったが)に連れ出された。
文中の「あじさい」(仮称)のように、ちょっと良い店に行くようになるのは、私は学生になってからだった。通っていた専門学校が神田の飲食店街に近く、ちょっと背伸びして「松榮亭」などに行った。
まったく気取った店ではなく、まだ小汚い病院の一角にあって、それでも、議員バッジだか自民党バッジだか判らない金バッジを付けた大人たちが入っていくのに、少したじろいだ。
私も頼むものは決まっていて、漱石のリクエストで作られたという、その由来に惹かれて、毎回、洋風かき揚げというものを頼んでいた。今は病院も取り壊され、松榮亭も移転して綺麗な店になってしまったが、あそこで働いていた初老の姉妹だったか従妹だったかは、どうしたのだろうと、不意に思い出すことがある。
そんな、ノスタルジーを搔き立てる文章だった。
11月29日 「出直し修行の旅に出た。」 by カッペ1号(かいち) (id:Kuunyan_takashi)
まず、要望に沿っていただいて、ありがとうございます。私は、もっと話は単純で、例えば東京駅まで来たのに皇居に行きませんでした、くらいの感覚だと思っていた。それが、こんなに長い道のりだとは…。
しかし、この石すげーなーとか、宿のご飯がお櫃で出てくるんだ(まぁ、大体そうだけど、この量は…)とか、楽しめる紀行文だった。好き嫌いの問題だけど、私は、かいちくんの記事は、メッセージ性が強いものより、こういう紀行文の方が好きだ。
11月30日 「左遷されたりしたけれど、僕は元気です」 by いれてぃ (id:elated)
先月最後、これで「写真と文」304記事目(Xのポストのシーケンスは、少し狂っている)だそうだ。300記事突破。この記事は、私も体験を共有して書きやすいからという理由で取り上げさせていただく。
私は肉体的には肥満と運動不足で疲れやすい以外は元気なんだけど、あとは気持ちの問題で。あと、前日、ひよこさんといれてぃさんが「あの男のことだからバテて来れないんじゃない?」などと話しているのを小耳に挟んで、意地でも行ってやると(笑)。
やっぱ人間一人で部屋にこもると頭がおかしくなるよね。一人の時間も大事なんだけどバランスも大事。僕もはたから見たらコンディションがバレバレなんだろうねぇ。
うーん、家に籠もっているからというより性格の問題かな。そう、あなたもコンディション、バレバレですよ。ちと心配しています。まぁ、お互いに自分を労わりましょう、と、精神的に落ちている状態で書く私。慰めにならない。
午前中に落ち着く和室で飲むビールは美味かったですな。そのまま、どこにも行かず、飲み続けたいくらい。考えてみると、この数ヶ月で、最も頭が空になった瞬間かもしれない。
その後、行った谷中霊園は、私も初めてだった。徳川慶喜公墓所は判らずだったけど、墓石が連立する向こうに見える東京スカイツリーは、本当に、見た瞬間、「これは東京の墓標だ!」と思った。
この調子で書くと長くなってしまうし私の記事になってしまうので、端的に。旧東京音楽学校奏楽堂のパイプオルガン、音は良いけど音楽は難しかった。奏者は「これでオルガン音楽に触れる機会になれば…」的なことを言っていたけど、取っ付きにくい。
以下は単に交遊録なので省く。そうそう、私は少し、書けるようになった。取り上げた「立松和平~」はほし氏さんに手伝ってもらったのだが、11月20日の「終わるときより終わるまで(映画「劇場が終わるとき」を観て)」は、独力で仕上げることができた。
お2人とも、楽しい時間を有り難う。いれてぃさんも、また書いてね。
終わりに
今年も残すところ1ヶ月を切り、始まる前、とりあえず今年1年、持つことを目標といっていた本「写真と文」も、無事に目標を達成することができそうです。これもひとえに、読者の皆様、執筆者の皆様のおかげだと思います。
そして、できれば書く方でのご参加を、いつでもお待ちしています。私による編集者の記事は、おそらく最後になると思いますが(寄稿者としての可能性はあります)、来年も写真と文、そして、私ふぉんとを(ちゃっかり)よろしくお願いします。