写真と文

誰でも参加自由。メンバーが共同で作る WEB 同人誌

熊出没注意看板写真集。

 

は好きですか。私は好きです。正確には、心の中で熊のことを平和に妄想するのが好きです。ある日ぃ森の中ぁ熊さんにぃ出会ったぁ花咲くぅ森の道ぃ熊さんにぃ出会ったぁ。ああ。ランランラン。ブシュ〜。とかいうシチュエーションにリアルで遭遇したくはない。


とか言っておきつつ、私の趣味は森の中を徘徊すること。それも、熊が出没したとの注意喚起の看板がそこらに立っている森をです。熊のテリトリーにわざわざ踏み込むようなことをしている自分が自分でもよくわからない。で、またなんでそう思ったかよくわかりませんが、今回は急な思いつきで、徘徊中に発見した「熊出没注意」の看板を色々と紹介させて頂こうかなと思います。人に幸あれ。熊にも幸あれ。

 

 

一枚目。よくありがちな、「いらすとや」から画像を引っ張ってきて安直に貼った感じの看板ですね。正直、注意喚起としてはインパクトの弱さが否めません。いらすとやテクニカルアドバイザー準一級を所持する私からして、そもそもなぜこのイラストを選んだのかにも疑問を感じます。例えばですけど、

 

これですとか、

 

こういったような、より現実の生態に即した熊の姿を表現するイラストもあるわけです。そういったビジュアルの効果を意識しつつ、文面でもインパクトな表現を示し、注意喚起していく。この合わせ技で成り立たせるのが、真に効果的な熊出没注意看板となる。そういう意味では上の看板は少々作り込みが甘い。看板の作り自体も貧弱だから、そのうち熊にポキっと折られそうだ。

 

 

二枚目。一枚目のと見比べていただければその違いは一目瞭然。熊の力強さ、恐ろしさがみなぎっているではないですか。しかも、よく見てください熊の歯並びを。犬歯と臼歯の位置が完璧です。さらには爪の本数や長さもほぼ完璧。つまりこの絵はいたずらにインパクトを強くしているわけではなく、現実的に熊と対峙するとこうなるよと、シンプルに教示しているわけですね。看板自体の強度も問題なし。二、三回熊に投げられたりしてもきっと大丈夫でしょう。

 

 

三枚目。これは森の中ではなく道路沿いにあった看板ですね。注意看板としてのわかりやすさもありますが、熊の恐ろしさを誇張する表現とは真逆の、静謐な印象すらある佇まいが、かえって熊の存在感を引き立たせているようです。道路上にこうして佇んでいた熊を実際に見かけた人が描いているのかもしれない。熊との出会いは案外静かに始まる、ということを示唆するようにも思えるのです。

 

 

四枚目。根本からポキっと折られていますが、なんとか看板の役目を果たし続けています。まさか、そのへんのヤンキーや空手家なんかがわざわざこんな森の中まできて折っていくわけがない。「貧弱な看板やんけ。こんなの片腹痛いですよね。折って帰ろか🧸」と思って熊が折ったのでしょう。

 

五枚目。あなたが〇〇を見つめるとき、〇〇もあなたを見つめているのだ、的な示唆を与えるような看板。実際には、人からは一切関知できないのに、熊からはすでに見られている、という状況に陥ることの方が多いのではと思うのです。森に潜む傍観者として、また、力関係としては圧倒的強者として見つめる熊の、内心の読めない不穏感がよく表現されているように思えます。

 

 

今回はこれで最後にしましょうか。てことは次回もあるのかって。いや、看板の写真がもうちょっと溜まんないとやれないですね。八年後とかですかね。ご期待ください。しかしこの看板を見ると、日本の平穏など幻想とわかります。右も左も恐ろしいやつばかりだ。一番下に至ってはケルベロスがいる。四面楚歌。もう、おわりーだね。きーみが、ちいさーくみーえる。なんか急に小田和正が聞こえてきた。僕は疲れているんだ。ちょっと書きすぎたな。今夜はもうお布団にもぐって寝よう。そうして平和な熊の夢をみるんだ。ということで皆様も熊にはどうぞお気をつけくださいね🐻

 

 

寄稿:ほし氏

口から出まかせ日記【表】

https://twitter.com/hoshiboshi75