この夏は津軽方面を自転車で走った。
立佞武多の館や斜陽館などいくつか目的地があったが、津軽ですら30℃を超える猛暑で脚も回らず、遮光式土偶の駅舎で有名な木造駅などいくつかを訪れることができただけだった。
その道すがら気になったのはあちこちにあるお地蔵さまだった。多くはガラス戸のついた祠(ほこら)に祀られていて、最初の頃は雪のせいでこうなのだろうと思うだけで、しょせんはお地蔵さまと通り過ぎていた。しかし、あまりにあちこちにあるものだから、写真でも撮るかと自転車を止めてのぞき込むと、よそにいるお地蔵さまとは大きく違っていた。
一番の特徴は大きな十字が描かれた四角い前掛けをしているところ。前掛けと言うよりも頭陀(ずた)袋を掛けているようにも見える。
また、トップの写真のように顔に何か書いてあるものも見かける。その時に思い出したのは、津軽には化粧地蔵という風習があるということだ。これは津軽と北陸の一部に見られるもので、私がかつて本などで見たのは、真っ白に塗られて目や口を描かれたようなものだったが、そういうものには見えない。ちなみに、帰って調べてみると、白塗りのお地蔵さまは通った地域とは少し違うところに集中しているそうだ。
また、2体並んでいるというところも多く、これは他の地域では見ないような気がする。
お化粧や前掛け、また、祠内に多数あるお供え物など、お地蔵さまが今も大事にされていることがよく分かる。
今回は前提知識なしで来たためちらりと眺めるだけで終わったが、次は改めて、お地蔵さまに会いに来ることにしよう。
おまけ
十三湖の南にある高山稲荷神社には多数の「狛狐」があるが、その中に1匹だけ猫がいる。猫は養蚕とも関連が深く、そのために作られたものだろうとは思うが、なぜか1匹だけいる。
寄稿 エスペラ(福祉住環境コーディネーター2級)
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